1091段目の組立てで全足場が支配されるので、1段目の組立てには細心の注意を払うこと。建枠の下端には、ジャッキ型ベース金具を取り付け、各建枠を常に水平垂直に保たなければならない。ジャッキ型ベース金具の下には、適当な接地面積を有する敷板を設け、そのうえクギでベース板を固定すること。最上層および5層以内ごとの箇所に布枠を設けるよう安全規則で規定しているが、この規定は壁つなぎのある層に布枠を設け、足場の水平強度をもたせる主旨であるので、壁つなぎと布枠をばらばらに取り付けた場合は、足場全体の強度は半減する。布枠のかわりに床付布枠を使用する場合には、床付布枠を2枚敷きならべ、すきまのないよう配慮する。なお、布枠、床付布枠のつかみ金具は完全にロックさせ、下面からの吹上げに対しても外れないように十分確認する必要がある。サビついて落下錠が作動しないときもあるので、かならず落下錠の確認をすること。各建枠間に交さ筋違を設ける前踏み側の筋違も、安全上必要であるので、一部を取り外しても作業後ただちに原型に復しておくこと。作業上やむをえず前踏み側の筋違を取り去るときはその部分の上下には、かならず布枠を入れること。長期にわたり前踏み側の筋違を取り外すときは、必ず各段に枠幅の布枠か床付布枠を入れることはもちろんのこと、前踏み側に墜落事故のないよう手摺、ネット等の処置をすべきである。前踏み側の筋違のない場合の枠組足場の強度は、両側筋違を入れたときよりも30~40%(枠1枚の許容耐力約29.4kN(約3.0t)に低下することが実験でも確認されている。建枠の連結は、アームロックによる方式の他に、回転式のもの、ピン式のものなどあるが、回転式、ピン式のものは忘れがちであるので、ロックされているかどうか必ず確認する必要がある。都会地での建設現場では落下物による危害防止の規定などにより、足場には養生金網、シート、アサガオを取り付けて作業する現場が多いので、風荷重、偏心荷重等を考慮して、壁つなぎ間隔を決めることが必要である。※ 風荷重に関しては、(社)仮設工業会発行の「風荷重に対する足場の安全技術指針」に詳しく記載されているので、ご参照下さい。インデックス認定機材一覧風荷重の計算次世代足場の使用基準枠組足場足場部材許容強度サポートローリングアングルブラケット鋼製足場板木製足場板片持・単純梁荷重公式許容応力度ヤング係数断面性能断面性能算出公式安全衛生法/同施行令安全衛生規則安全衛生規則(解釈)【図-4】壁つなぎ金具JISA8951鋼管足場の中に、足場の高さは原則として45mを越えてはならないとあるが、壁つなぎを計画どおりにしっかり取り付け、積載荷重も3.92kN(400kg)2層同時作業の場合では高さはさらに延ばすことができる。しかし45m以上の高さの足場が必要な場合にはシート、養生金網、アサガオの有無により条件が異なるので専門技術者と十分検討すること。枠組足場のコーナーには、単菅とクランプでつなぎ材を設けて双方の建枠を緊結する。【図-5】コーナーのつなぎ(例)壁つなぎの耐力壁つなぎは、なまし鉄線8番線2本よりの強さ(最大耐力8.83kN(900kg)、許容耐力4.42kN(450kg))以上とすることが一般的にいわれているが、その現場に合わせ計算チェックをしてその現場に適応した措置をする必要がある。また部材の取り付け部も、これと同等以上の耐力がなければならない。壁つなぎは、引張り力、圧縮力に同時に耐えられるものが一番よいが、引張り材と圧縮材に分けて設けるときは、両部材との間隔を1m以内とすること。壁つなぎは、足場面に対してできるだけ直角に設けること。枠組足場
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